思ったよりもずっと頭を使う仕事で、男性がより理解できるようになる仕事です。

私が使っていたチャットサイトはソフトなアダルトOKのところだったので、やはりまずは脱がそうとするお客様が多かったです。チャットが始まった途端に、はい脱いで・・みたいなお客さんもたくさんいました。むこうにしてみれば、もちろんそれが目的なのでしょうが、時間を引っ張っていくらのお仕事なので、いかにすぐに脱がずに会話を長引かすかが重要になります。もうちょっとで脱いでくれそうだ~と相手に期待をさせなきゃいけないし、でもすぐに脱いじゃうと稼げないしで、想像していたよりも、ずっと頭を使うお仕事でした。

中には、ちょっと会話を引っ張ろうとすると、じゃ、いいやってすぐに切ってしまうお客様もいたりして、そんな時はちょっと落ち込みました。いろいろ工夫した結果、とりあえずなるべくゆっくり話す。普段はわりと早口なのですが、普段の倍の時間をかけて話すよう心掛けました。

あと、はずすのに時間がかかる、なるべくボタンの多いブラウスを着るようにしたりしました。ただあまりかっちりしたブラウスだと、待機しててもお呼びがかからないので、ノースリーブで、胸元がちょっと大きめに空いていて、なおかつ小さなボタンがたくさんついてるものをチョイス。脱ぐときには、なるべく相手を焦らせるような感じで、ボタンをゆっくり一個づつはずしていきます。

そんな時、ボタンをゆっくりはずす手つきが興奮する、という方に出会いました。そのお客様は手つきに特別な思い入れがあるらしく、君のその手でシャンプーされたいとか、僕の髪を君の手でかきあげるしぐさをして、とか、とにかく手つきと髪に興奮される質のようでした。待機していると呼んでくれるようになったのですが、脱がすことにはあまり執着がなく、とにかく髪と手に関するイマジネーションが大事で、しかもちょっとM気味な方のようでしたので、こちらもいろいろと研究しました。ネイルや手のケアはもちろんのこと、手がキレイに見えるような照明とか、髪への表現力とか、ある意味、脱いでなんぼのお客様よりもずっと難しかったです。

ただ、何回かお付き合いさせていただくと、こちらも手つきや髪の質感への表現力だけで相手を満足させることにやりがいを感じてしまって、今日は美容室でシャンプーをしながら、少し乱暴に髪を扱うシーンを提案してみよう、とか、馬のりになりながら相手の髪をもみくちゃにするシチュエーションはどうかなとか、風になびく彼の髪をやさしくかきあげてみようとか、私ももともとが凝り性なこともあって、普段の生活でも常に髪と手つきのことを考えるようになってしまい、ちょっと困りました。

そのほかにも、姉と弟の近親相姦的なシチュエーションに興奮するとか、通りすがりにお互い一目ぼれで、そのままホテルに直行して、絡み合いながら名前やお互いのことを語り合うシチュエーションで話をしよう、なんていう方もいました。また、30年以上たってもどうしても忘れられない初恋の人の名前で呼ばせてくれ、なんていう方もいました。

女性を脱がすことだけに興奮する男性も、もちろん多かったですが、すこし長く話をしてみると、男性って結構みんな思いのほかロマンティストだし、みんな何かしらのちょっと歪んだ欲望があったりするのに、普段家族や恋人との間では、みんなそれを押し隠して生活していて、そのはけ口がチャットサイトだったりするのだろうと思うと、すべての男性が愛おしく思えたりしました。

手つきと髪に興奮するそのお客様だけではなく、何人か顧客になってくださった方がいましたが、引退して数年経った今でも懐かしく思い出すのは、そういうロマンティストでイマジネーションが重要で、相手をさせていただくのに、頭を使ったお客様です。

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